ASP型ショッピングカートとWordPress + WooCommerceを比較してみましょう

WooCommerceもASP型ショッピングカートもメリットとデメリットがあります。選択する際のポイントはおおむね下記のことだと思います。

ASP型ショッピングカートの検討ポイント

  • コストはリーズナブルか 導入費だけでなく、月額費用・決済手数料が重要
    Baseのようにシステム利用料は無料であっても売り上げにかかる手数料は6.6%と高くなったり、逆にMakeshopのように初期費用やシステム利用料は高額であっても売り上げにかかるコストが低い場合があります。重要なことは、月の売り上げ目標がいくらかによって選ぶショッピングカートを決めることです。
  • 機能は十分か
    豊富な決済オプション、複数配送先、商品オプション等が要望に合っているか確認することが大切です。
  • ブログ機能があるか SEO対策ができるか
    ASP型ショッピングカートの場合、ブログ機能がない、あるいは限定的なことがデメリットです。
  • LP(ランディングページ)が設定できるか
    広告を行いたいときに、LPを作成できるかが重要になります。
  • 確かな企業が提供しているか
    ASP型ショッピングカートは競合会社が多く、倒産等何らかの理由でサービスの提供を停止する場合があります。停止されるとデータは削除されますし、ショッピングサイトのURLアドレスが独自ドメインではなくサービス業者が提供するサブドメインの場合、検索エンジンからも消滅してしまいます。つまり、獲得していたユーザーも消去されてしまいます。

WordPressプラグインWooCommerceの検討ポイント

  • 低コストで導入できるが、制作コスト・管理費がかかる
    WooCommerceの場合は、ASP型と異なり、ドメイン、サーバー、WooCommerceプラグインとその他ツールの選別、デザイン等ご自身で設定しなければなりません。そのため、ほとんどの場合、制作会社にショップ制作を依存しています。制作者会社により製作費は異なりますが、制作する前に予算を綿密に決めておくことが大切です。
  • システムとプログラムのバージョンアップは自身で行う必要がある
    例えば、購入したPCはOSやブラウザのバージョンアップで、5年から6年程度で買い替えなけえばなりません。同様に、Wordpresもバージョンアップが必要で、場合によってはサーバーも移管しなければなりません。
    制作会社が正しく制作していれば、バージョンアップは簡単ですが、古いスクリプトやコーディングを行っている、あるいはマイナーで無料のプラグインを使っている場合、バージョンアップができない場合があります。このようなケースの時は、フルリニューアルが必要になります。
    ニアメディアでは、10年間は低コストで運営できるショップ作成を心がけています。
  • ブログ機能、SEO対策が十分可能
    ASP型と異なり、WordPressは世界シェアNO.1のCMSツールですのでブログ機能が豊富で、LPも無制限に作成できます。ブログを書くことが得意な方にはWooCommerceがお勧めです。
  • ショップを閉鎖、一時休業、URLアドレスを変更が柔軟に行える
    ASP型と異なり、WordPressはデータを丸ごと保存できますので、もっと高速なサーバーに移動したい、URLを別なものに変えたい、ショップを分割して2つに分けたい。このようなことにも対応できます。

参考までに、アクセスの多いショッピングサイトがどのカートシステムを使用しているか、統計が計測されています。実際の契約数ではありません。

全世界のショッピングシステム利用率

カートテクノロジートラフィックの多いWEBサイト数%
 WooCommerce Checkout397473.97
 Shopify267962.68
 Magento113401.13
 Shopify Plus38450.38
 PrestaShop29800.3
 OpenCart29070.29
 Squarespace Add to Cart27970.28
 BigCommerce24640.25
 Salesforce Commerce Cloud19460.19

日本のショッピングシステム利用率

カートテクノロジートラフィックの多いWEBサイト数%
 Wixコム2347819.59
 Shopify1527412.75
Base117999.85
 WooCommerce Checkout84847.08
 Welcart64915.42
 MakeShop61765.15
 Stores JP43793.65
 EC-CUBE39263.28
 eStore24772.07
 Ecwid23081.93
おちゃのこネット20561.72
カラーミーショップ18951.58
 Squarespace Add to Cart11910.99
 FutureShop9390.78
 Magento5830.49

参照)2022年5月2日現在):eCommerce technologies Web Usage Distribution

2017年当初、日本でWooCommerceを知っている人はあまりいませんでしたが、WooCommerceの成長は驚異的です。

サービス名月額費用売り上げ手数料カード手数料商品オプション機能定期購入
MakeShop

10000円

3.5%制限ない5000円/月 初期費用100000円
カラーミーショップ

3000円

3.5%カラー、サイズ等の2種類3500円/月
らくうるカート

3000円

4%カラー、サイズ等の2種類なし
Shopify

3200円(29ドル)

2%3.4%から4.1%1つの商品に対して最大100種類のバリエーション5500円(50ドル)/月
WooCommerce

1000円

3.5%制限なし2000月円
Base無料7%カラー、サイズ等の3種類なし
サービス名決済オプション宅配便との連携ブログページ表示速度バージョンアップ実行者備考
MakeShop5000円/月ASP月100万円以上の売り上げが見込めるショップ向け。フルスペック仕様
カラーミーショップ5000円/月ASPMakeShopと比べ. 機能性は劣るが、十分な機能が備わっている。
らくうるカート◎ヤマト運輸の場合なしASP配送にヤマト運輸を使うならこのASPがお勧め。配送業務の工数を大幅に削減できる。
Shopify簡易ブログASP世界的に有名。利用できるアプリが豊富。海外にも販売する場合に最適
WooCommerce多機能ブログショップ所有者多機能ブログが使えるため、SEOで集客が見込める。バージョンアップの手間はあるが、費用を最小限に抑えられる。また、更新やLPが容易に作成でき、Wordpressの無数のプラグインを使用できる。
BaseX簡易ブログASPほとんど無料で制作でき、機能も豊富。ただし、売り上げによる手数料があるため、月30万円程度の売り上げのショップにお薦め。

月当たりの売り上げ金額に応じたコストを考えることが重要です。
下記の表は、クレジットカード決済が全体の70%であった場合のおおまかな試算になります。

例えば、今人気のBaseはシステム利用は無料ですが、月額の費用は売り上げが伸びれば伸びるほど他に比べ高くになります。
※注文の70%がカード決済の場合

サービス名月10万円売上時のコスト月30万円月50万円月100万円月200万円月300万円
MakeShop12450円17350円22250円34500円59000円83500円
カラーミーショップ5450円10350円15250円27500円51000円76500円
らくうるカート5800円11400円17000円31000円59000円87000円
Shopify7300円15500円23700円44200円85200円128500円
WooCommerce3450円7350円13250円25000円49000円74500円
Base7000円21000円35000円70000円140000円210000円

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